2023/05/14 兵庫県伊丹市天神川水害
復旧支援および情報支援
〜キーマンが揃い始め流れが変わる予感〜
発災から5日。そろそろ浸水した石膏ボード裏にカビが生えてくるタイミングになってきました。
とはいえ、カビ対策として、浸水材の撤去や開放作業は認めてもらっていません。
というのも、今回は自然災害という面より、河川工事を請けた場所の不作為的な部分、つまり人災的な側面があるという見方であり、
補償問題などが出てくるため、行政からの確認などがないと作業ができないのです。
ですが、行政はカビ対策などの必要性を認知できておらず、床もまるで基礎の上にあるだけで下に木下地があるように見えないことから、「あとはリフォーム業者に」という感じで、その手配はかなり先になりそうな感じ。
そこで、僕たちボランティアができることとして、
作業の目的は「復旧のための課題の可視化を行い、行政にカビ対策の作業箇所と必要性を認知してもらう」こと。
床がコンクリで床下空間がないように言われているお宅ですが、実際には床下空間があることがわかりました。
なので、床上げをして、床下の水抜き箇所を作ることと、床下の存在を可視化することという2点を軸に、現場の整理を行なっていきます。
まずは乾燥待ちをしていた部屋へ。乾燥した泥を撤去し、ブラッシングをしていきます。
最初に大雑把にとったあと、木部の泥落とし、全体のブラッシングに入ります。
本当なら、きちんと真水での洗浄を行った後、乾燥→消毒→乾燥に入るのが手順ですが、そのあたりも行政手配の業者がやるということで…。なかなか手が出せないのがもどかしいですね。
まだまだコンクリが湿気ていますので、乾燥をしっかりして、業者が入るまでの間、できるだけカビが繁殖しにくい環境を作っていきます。
床は、一部勾配下りの部分や、床下空間がある掘り炬燵の部分に、泥水が溜まっている状態です。
ある程度水気をとった後は、乾燥を促すため、扇風機、ダクトファンをまわしていきます。
そして、もう一つの床板が露出している部屋へ。
こちらは、コンパネをはがすと、もともとコンクリの上にフローリングが敷いてあったことが判明しました。
リフォームのタイミングで、下地になるコンパネをうって、床暖房、その上からカーペットを仕上げ材に敷いていたようでした。
幸いこの下はコンクリがでてきたので、一旦ここまで剥がして、次にどうするかは、行政や住民さんと打ち合わせ次第。
残るタイルエリアですが、ここも隣の部屋と、住民さんの話から推測するに、木下地がはいっている可能性が非常に高いです。
もし入っていた場合、タイルエリアも全てやり変えることになりますので、行政のほうにはそこもしっかり視野にいれて考えていただきたいと思っています。
ということで、本日の作業目的は完了でした。
他に3名のボランティアさんと活動をいたしました。ありがとうございました!
そして、行政書士さん、建築士さん、弁護士さんなどなど伊丹市に提言をしていくため、たくさんの専門家の方が現場にきてくださり、お話をきいてくださりました。
また、神戸から技術系NPOのプロポランティアさんも平日に来てくださるということで、
良い流れになってきているように思います。
このあとも、引き続き、被災された方々がしっかり生活再建していけるよう、ヒアリングや見守り、行政への提言を行なっていきます。