2023/05/20 兵庫県伊丹市天神川決壊
〜一週間以上がたち、現れた黒カビ、でも何より被災者さんのペースを大切にしたい〜
ほぼ毎日、県の方がいろいろと、被災者さんとお話を進めていると思います。
いろいろ検討中のところが出てきて、少し緩やかに流れがなりつつります。
今回石膏ボードまで浸水したお宅は1軒のみでしたが
とうとう、カビが現れました。
通常、黒カビはボードの裏面に現れやすいのですが、こちらは巾木があったため、このように表面に浮いて出てきています。
断熱材は吹付になっていたので、浸水ラインより上への侵食はなさそうです。
ただ、リフォームの場合は
ボードにベニヤやコンパネ下地をつくっての造作や、あとからの仕切り、カバー工法が多く
石膏ボードとベニヤの隙間、カバー工法の隙間など
カビが大繁殖しやすい環境が整ってしまっています
吹付断熱の場合、浸水してダメになるグラスウールよりも、断熱機密性が高いため
壁の中の湿気がなかなか抜けないと感じます。
そうなると、シロアリも呼び込みやすくなってしまいます。
また、基礎が低く木部がかなり浸水ダメージをうけてしまっていると仮定すると、
万が一シロアリが根付いた場合、その上の被害を受けてない部分まで食害にいたるスピードが早い可能性があり
とりあえずの応急処置として、壁、床の開放作業と乾燥を、行政に相談してもらうことを、住民さんにアドバイスをさせていただきました。
〜ここからは、参考程度に〜
冒頭にいったように、こちらは公務員の方や防災人口の閲覧が多いため、課題としてあげたので
RATの見解も最後まで載せておきます。
もしこれが水害だった場合、即時のボランティア対応もありえるのですが
その場合を仮定するとして
RATであれば、
壁剥がし→床剥がし→清掃→一時消毒→時間稼ぎを行います。
(足場や養生の問題もありますが、通常の建築では床作りが先なので合理的に考えて)
材の浸水部の撤去後、
泥などの清掃(場合によっては洗浄)をおこなったあと
揮発性の高い高濃度エタノールで、現在すでに出ているカビの拭き取り作業(場合によっては木部のやすりがけ)を行います。
(一時消毒)
そして乾燥作業にはいります。
乾燥作業後は、
木部の水分などが十分になくなったことを水分計で確認して
仕上げとして、再び消毒を行います
このとき、消毒後も乾燥の猶予がある場合は、塩化ベンザルコニウム(オスバンなど)を使用します。
なぜなら、オスバンなどは薄めて使うのでほとんど水なので、きちんと乾燥しないと結局またカビるからです。
ですが、安価で大量に用意しやすいこと、高濃度エタノールよりかは、取り扱いに危険が少ないこと(危険ではないとはいってない)から
RATはオスバンも使っています。
乾燥の猶予がない場合は、高濃度エタノール(80%以上)を使用します。
伊丹のケースであれば、タイル床を除き、2日で一時消毒までの応急処置が完了する計画が立てられます。
タイル床の場合、どうしても粉塵作業となりますし、廃棄物も多く出るので、運搬などのボランティアや、市の回収調整も必要です。
さらには、現在ある荷物の移動が必要になります。
この場合、応急策としては、
一時的にヒトマス〜必要な箇所の開放を行い、そこからまずは水を抜きます。
その上で、送風機等で乾燥促すことで、木部の床構造の変形等を送らせることができるように応急処置をすることができます。
〜以上が「仮説」になります〜
何かの参考になれば。
当然、今回のことは、県の動きもですが
何より、被災者さんのペースがとても大切です。
被災者さんにも事情ややらねばならないことがたくさんありますから
そういった部分もサポートしながら
ケアや見守りをしていけたらと思っています。
被災地NGO協働センターの増島さんとの連携で
行政書士の方もはいってくださっていくそうです
役所への提言も少しずつしてくださるそうです。
物事は進んでいっています
RATは、RATとしてできることを、サポートしていけたらと思っています。