土嚢袋の口、結ぶ?結ばない?
どんな被災地にいっても、現場で絶対に耳にすることがあります。
Aさん「土嚢袋結んだほうがいいのかな」 Bさん「そもそもこの紐ってどうやって結ぶの?」
結論:結び方はいつもひとつ!
早速ですが、結び方の動画を見てください。
ポイントはこの親指で輪っかをつくって紐を通しているところ。
RATでは基本この結び方しかつかってません。
慣れるとサクサク結べますよ!
輪っかは、1回目でも2回目でも、最後のくるくるの前でもOK。
最初につくるほど解けにくく、最後に作るほど解けやすくなります。
たくさん放り投げられそうなら最初のほうに輪っかを作って、
すぐ中身出しそうだなってときは最後のほうに。
…まぁよほどのことがなければ解けないので、気分で大丈夫です。(笑)
ちなみに、こうやって口を二つ折りにしてクルクル縛ることで、
ひっくり返しになっても中身がこぼれないようになっているんですよ!
ところで、なんでこうやって結ぶのか。
これがわからなきゃ3分ニュースじゃないですよね。
ということで、目的も一緒にサクッとおぼえちゃいましょう!
①泥だし
泥だしの場合、土嚢袋に入れる目的は「運搬」のためです。
みなさん、土嚢袋にはいった泥は、その後どうなるかご存じですか?
実はこれ…。
集められた後、泥を土嚢袋から出して処分するのがほとんどなのです。
えーっ、なにその手間!!!
というのも理由があるんです。
土嚢袋というのでは、
・土にかえる素材
・土に還らずマイクロプラスチックになるもの
・対候性が良くて長い期間設置できるもの
など、さまざまな種類があり、本来はその特徴を考慮して使用されています。
しかし、緊急時の支援物資でよせられる土嚢袋は、種類がバラバラ。
特に植生土嚢と、安い白い土嚢袋は見分けが付かなく、判断は難しいです。
そんなたくさんの種類の土嚢袋、川や海、山にそのまま捨てるわけにはいきませんよね。
なので、基本は「運搬時やトラックに積む際に口からこぼれないように」という目的で、解けやすいように結びます。
運ぶ時は放ること多いので、適当な結びだとNG!
ちなみに、RATの活動の場合、すぐにおろす場所がある所などは、結ばないようにしています 。
土嚢袋につめないでダンプに直積みできるならそのほうがいいです。
土嚢袋につめるのは、あくまでも運搬効率のため。
そもそも距離が近くてバケツリレーが可能だったり、一輪車で直接ダンプに土砂がつめるなら、そのほうがよいでしょう。
★処分場の都合や車両によっては、土嚢袋につめてほしいということもあるので、みなさんが現場で判断される際は、必ず指揮者や車の持ち主に確認をしましょう!
★ダンプもそのうち解説しまーす
②重石や止水壁に使う
屋根の上のブルーシートがバタつかないように重石にしたり、崩れた護岸の補強をしたり、
はたまた水を食い止めるための止水壁を作ったり。
屋根に乗せるなら、改めて紐で縛ります。
止水壁用の場合、口は下敷きになるように積むのが一般的ですね。
なので、基本的に動画の結び方で十分なんです。
例外:結ばないときはどんな時?
結ばないときというのは「ゴミを運搬するとき」
たとえばコンクリートガラや、土嚢の口から飛び出すような木くずなどは、
基本的にキュッと紐をしばるだけです。
なぜなら「放り投げて運ばないから」
これらのゴミの場合、トラックに載せて運ぶ一つ目の処分場で、中身を出すことが大多数です。
そのため最初から結ばないほうが無難ですし、結ばなくてもこぼれるような運び方をされることは少ないでしょう。
土や泥の場合、普段から生活系のゴミ処理場でも引き取っている木くずなどと違い、捨てられる場所が専門的な場所になります。
どうしても一時仮置きから再運搬の手間があります。
そのため、最初の処分場では中身を空けない場合が多いのです。
これらは被災地の状況によって変わりますが、通常は動画の縛り方をしておくのが賢明です。
ゴミの場合でも、粉っぽいゴミや、軽くて放り投げられそうなゴミなら、土嚢袋を縛るなど、臨機応変な対応をしていきましょう。
この場合、輪っかに紐を通す最後の結びを応用して、
一回だけくるっとして、その中に紐を通すという
クルクルを省略した結び方がおすすめ。
基本的にかた~く結ぶということは、ありません!